【日本型経営のススメ Vol.3】「従業員はコストか?宝か?コストカット経営は先細り経営」

こんにちは。今日は「従業員はコストか?宝か?」というテーマについて考えていきましょう。

最近ではコスト削減がよく話題に上がり、特に経営が厳しい時期にはコストカットが有効策として検討されがちです。けれど、ここで皆さんに考えていただきたいのは、従業員は本当に削減するべき「コスト」なのでしょうか?それとも、企業の価値を創り出し、利益の源泉となる「宝」なのでしょうか?

付加価値を生み出すのは従業員

企業が生み出す付加価値は、従業員というリソースによって成り立っています。付加価値とは、企業が自社で創り出した価値であり、売上から他社創造価値(原材料費など)を差し引いた残りです。この付加価値を大きくすることで、企業の利益も増えていきますが、そのためには、従業員が日々の業務で全力を尽くし、生産性を高める必要があります。

私がある経営者にこう尋ねたことがあります。「従業員を宝と思うか、それとも単なるコストと考えるか?」

彼は迷いなくこう答えました。「うちは従業員がいなければ、何も生み出せない。ただの箱だけです。だから、彼らを宝だと思っているし、大切にしないと会社の未来はないと思います。」

コストカットは短期的な利益には効果的かもしれないが…

もちろん、経営が厳しいときにコスト削減が必要なこともあります。しかし、従業員の数を減らす、ボーナスを減らすといったコストカットは、単年度の利益を一時的に増やせるかもしれませんが、企業の成長を阻む大きなリスクを伴います。

従業員の士気が低下すれば、生産性が下がり、結果として生み出される付加価値も低下します。また、従業員が減れば、企業が本来果たすべき業務や顧客サービスに支障をきたし、顧客満足度の低下を招く恐れもあります。これでは、短期的な利益の増加を目指すあまり、肝心の企業の未来を犠牲にしてしまいます。

長期的な価値創造を目指すなら、従業員は宝であるべき

「コストカットが悪いわけではないんです。でも、その削減が従業員の意欲や生産性を犠牲にするものであれば、本質的には未来の利益を削っていることになります。だから私は、従業員には投資を続けたいんです。」と別の経営者が話してくれたことがあります。

従業員は、企業が付加価値を創出し続けるための原動力です。彼らが満足感を持ち、意欲的に働くことで、企業全体の成長力が高まります。長期的な視点で見れば、従業員を「宝」として大切にすることが、企業の持続的な成長に繋がります。

あなたの会社はどうですか?

あなたにとって、従業員とはどんな存在でしょうか?彼らを「コスト」と捉えるのか、それとも「宝」と捉えるのか。その違いが、経営の未来に大きな影響を及ぼします。企業が長期的に成長し続けるためには、従業員の力を最大限に引き出し、付加価値を高めることが不可欠です。どうぞ、従業員という「宝」を大切にして、企業の未来を明るいものにしていってください。

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